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ask the deep

2015年12月27日(日)

Title: Ask The Deep/Artist: Sóley

LABEL:Morr Music

トラックリスト
1. Devil
2.Ævintýr
3. One Eyed Lady
4. Óhljó∂
5. Halloween
6. Follow Me Down
7. Breath
8. I Will Never
9. Dreamers
10. Lost Ship

2016/01/03更新:NEW!!
目を閉じて聞くと、どこか遠い国、遠い世界に連れて行ってくれる音楽は確かに存在する。Sóleyはそんな音楽を作る優れたアーティス トだ。2011年発表の『WeSink』、そして2015年発表の『Ask The Deep』はまさに僕達を遠い世界に連れて行ってくれるアルバム。アイ スランドで生まれ育ったSóley。父親がトロンボーンのプレイヤーであり音楽の教師という環境で幼い事から音楽に慣れ親しんで育った。彼女自身もピアノとギターを学ぶために芸術学校に通い、音楽を学んでいった。そんな彼女が音楽で何を表現するのか。それは「夢」なのではないだろうかと思う。何故なら、『We Sink』の頃から詞は一貫し、シュルレアリスティックとも言える夢幻的な様相 を見せているから。彼女の作る「夢」は、様々な表情をみせる。アコースティックな楽器を用いて暖かい音像で作られた前作 『We Sink』を「朝」「陽」 のアルバムとしよう。それに対し、『Ask The Deep』はエレクトリ ックで冷ややかな音像で作られている。そう、これは「夜」「月」の作品なのだ。ただ、全然違う作品かというと、この2つは確かに繋がっている。朝と夜の様に。季節の様に。そして命の様に。目を閉じて『Ask The Deep』を聞いてみよう。芸術学校で学んだ確かな技術、そして前作よりも確実にレベルアップしているSóleyの表現力 は、故郷アイスランドの荘厳な自然の情景を、ありありと想起させる事だろうと思う。そこにあるのは、星々が煌めくアイスランドの静かな夜。切り立った岩山と、まるで海みたいに広がる深緑の森。空には月が淡く輝き、川の流れが美しい調べを奏でている。例えば、夜道を歩きながらこのアルバムを聴けば、アイスランドの澄んだ夜風を浴びているかのように思える。Sóleyの『Ask The Deep』 は、音と一緒に、遠い島国の冷たく心地よい夜風を届けてくれる。そして僕達を心の旅に連れていき、心は自由であることを教えてく れるのだ。(石倉康司)


Sóleyのトレードマークともいえるピアノの音は「恋愛に奥手な男子か!」とツッコミを入れたくなるくらい控えめ。亡霊のようにぼんやりと靄がかかったかのようなドローンシンセに歪んだギターサウンド。嵐の前の静けさと言わんばかりの不穏な空気を感じさせる打ち込みのビートが全面に押し出されている。全体を通して、ダークサイドをゆらゆらと彷徨っている自分自身を傍観しているような、メランコリーで幻想的なサウンドスケープが作り上げられている。前作『We Sink』(2011年)では見ることのできなかった、多彩かつ洗練された深みのあるサウンドに驚かされるだろう。このアルバムは、多幸感による魂の救済というよりも、心に潜むもう一人の自分への恐怖心であったり、そこから生まれる混沌とした心の闇をあらわしているのだろうか。あるいは、フラストレーションという心の抑圧から乗り越えたときに体感することのできる"サティスファクション"を提示しているようにさえ思える。ドリーミーなフォークサウンドを脱ぎ捨て、ダークなエクスペリメンタル・ポップという新たなサウンドを纏ったSóleyを体感してみてはいかがだろうか?(ちなみに...ハリポタファンなら誰しもが「ディメンターに襲われているのかな?」と思ってしまう、この重厚感のあるアートワークはJonsiの妹が担当しています)(Shintaro Tanaka)






2015年12月27日(日) 投稿者:vitinn admin